感染性腸炎
感染性腸炎は、細菌、真菌、原虫、寄生虫、さらにはウィルスにより生じます。
基本的には、食中毒と呼ばれ、ある食品を食べることにより生じます。
症状は、病原菌によって異なりますが、多くは、発熱、腹痛、嘔吐、下痢を生じます。
▼細菌性腸炎
細菌性腸炎は、病原性大腸菌、腸炎ビブリオ、カンピロバクター、サルモネラ、
赤痢、コレラ、などの細菌により生じます。
病原性大腸菌は、O-157が有名ですが、様々な種類があります。主要なもので、毒素原生大腸菌(ETEC)、組織侵入性
大腸菌(EIEC)、腸管出血性大腸菌(EHEC)、腸管付着性大腸菌(EAEC)があります。
毒素原生大腸菌(ETEC)はコレラ様の下痢を呈します。
O-157は腸管出血性大腸菌(EHEC)でベロ毒素を産生します。溶血性尿毒症症候群(HUS)、TTPを起こすことがあります。
腸炎ビブリオは、海水にいて海水温が20℃を超えると増殖するため、
夏場に水揚げされる魚介類には腸炎ビブリオが付着していることが多いです。
カンピロバクターは、汚染された鶏肉の生食によって食中毒が起こります。
本菌感染後に、ギランバレー症候群を起こすことがあり問題となっています。
サルモネラは、生卵の摂取が原因となることが多いです。
赤痢は、細菌性赤痢とアメーバ性赤痢がありますが、名前のとおり、粘血便を来たします。
どちらも輸入感染症で海外旅行の帰国者に見られます。
コレラも輸入感染症ですが、疫学の始まりといわれているジョン・スノーの研究は
あまりに有名です。飲料水で感染することもあります。
激しい下痢が特徴で、米のとぎ汁様と表現されます。
▼ウィルス性腸炎
ウィルス性腸炎は流行する傾向があり、乳児下痢症の原因となる ロタウィルスやノロウィルス によるものが多くみられます。