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大腸癌

▼大腸癌の概念

大腸癌は結腸と直腸の粘膜にできる癌で、ほとんどが腺癌です。
欧米諸国に多いとされていましたが、食生活の欧米化に伴い、日本でも非常に増えており、 女性の癌の第2位を占めています。

大腸癌の発症は60歳以降に最も多くなります。

大腸癌は家族集積性が見られ、大腸癌の家族歴がある人は、リスクが高まります。
家族性大腸腺腫症(FAC)は、常染色体優性遺伝で、 5番染色体にある癌抑制遺伝子APCの変異により 引き起こされるポリポーシスです。放置すれば必ず大腸癌になるため、大腸全摘が行われます。
遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC)は、家族内に大腸癌が多発する常染色体優性遺伝で、 hMSH2、hMLH1、hPMS1などの異常によって癌が生じます。
大腸癌のみならず、子宮体癌、胃癌も生じます。

また、環境因子としては、高脂肪食が確実で、食物繊維の不足も発症リスクの可能性が疑われています。

大腸癌は比較的転移の傾向が遅く、早期発見、早期手術によって完治します。
単発の転移であれば転移巣に対しても手術行うなど積極的な治療が行われています。

▼大腸癌の症状

腫瘍が結腸の左側や直腸にあると、腸内の便がすでに半固形状態になっているため、 出血を来たしやすく黒色便となったり便潜血反応も陽性になりやすいです。
大腸癌から出血すれば、貧血を呈し疲労や脱力感があります。
高齢者の貧血は消化管出血を疑い癌の可能性も考える必要があります。

大腸癌があると出血することから、便潜血検査での早期発見が試みられていますが、 実際は早期発見となることは多くありません。

また、癌が発育すると便が詰まりやすく、イレウスを呈したり、便が細くなります。

結腸の右側(上行結腸)に癌ができた場合は、腸内の便はまだ水様性なため、 癌が末期になるまで症状を呈さないことが多いです。
腹部の触診で大きな腫瘤として発見されることもあります。

▼大腸癌の検査

<スクリーニング検査>
便の潜血反応が調べられています。
出血が認められれば、ガストログラフィンによる注腸透視や内視鏡検査などの精密検査を行います。

<注腸造影>
2/3周以上を占拠する進行癌ではapple core signを呈します。

<内視鏡>
癌が疑われる部位が見つかれば、その場で組織を採取し、生検により確定診断を行います。

<血液検査>
腫瘍マーカーは早期発見には使えませんが、腫瘍を切除した後の治療効果や再発をみるのに役立ちます。
大腸癌ではCEA(癌胎児性抗原)、CA19-9といった腫瘍マーカーがあります。

大腸癌の分類には、病期分類、Dukes分類などがあります。

大腸がんとは?久留米大学第一外科

▼大腸癌の治療

<EMR>
早期癌に対しては、内視鏡的切除も行われます。
内視鏡的切除後の病理診断で、癌の深さが粘膜筋板を超えていないm癌であれば このまま治療終了となります(ステージ0)。

<手術>
EMRで粘膜下層にまで達している場合(sm癌)、10%の症例でリンパ節転移を伴うことからリンパ節を摘出する 追加の開腹手術が必要となることがあります。
また、進行がんに対しては、多発性の転移がなければ積極的な外科治療が行われます。
肝や肺へ転移があっても単発で取りきれるならば、積極的に切除を行う傾向にあります。

直腸癌の治療では、肛門からの位置と直腸壁への深達度に応じて、さまざまな手術法があります。

結腸や直腸上部に病変がある場合はお腹からアプローチする前方切除を行います。
前方切除例では腹腔鏡下で行うケースが増えていますが、下行結腸や直腸は腹膜に覆われていることがあり時間が 長くなりがちで一方、S状結腸は比較的手技としては容易となるようです (腹膜に覆われているか否かは外科的には重要)。

直腸下部に癌がある場合は肛門まで摘出する必要がありお腹と会陰からアプローチする 腹会陰式直腸切除を行い、 人工肛門造設術により永久的な人工肛門形成術を行います。

問題となるのがリンパ節郭清です。直腸では下腸間膜動脈以外に 中直腸動脈から内腸骨動脈にいたる側方リンパ流があるため、その郭清を行う必要があります (側方郭清)。
しかし、骨盤内の自律神経が障害され排尿障害を生じます。したがって、癌の進行度がそれほど悪くなければ 神経の温存が検討されます。

<化学療法>
FOLFOXまたはFOLFIRI療法が行われています。
最近では、転移性大腸癌には、血管内皮増殖因子(VEGF)に対するモノクローナル抗体であるベバシズマブ (アバスチン)などの治療薬やペプチドワクチンなどの治療薬も試みられています。