食道癌
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食道癌(Esophageal carcinoma)

▼食道癌の概念

食道癌は男性に多く、女性の5倍以上です。
喫煙と飲酒が確立したリスク要因で、他に食道アカラシアなどが リスクと考えられています。

現在、日本ではほとんどが扁平上皮癌で胸部中部食道に好発します。

一方、欧米では半数以上が腺癌です。腺癌のほとんどは胃の近くの食道下部に発生しGERD、Barrett食道との 関連が示唆されています。
生活習慣、食生活の欧米化により、今後は日本でも腺癌の増加が予想されます。

食道癌は比較的予後不良の癌です。
それは、食道は漿膜を持たないために周囲への浸潤傾向が強いこと、 食道はリンパ流が発達しているためにリンパ節転移をきたしやすいことが 理由に挙げられています。

食道癌の罹患率は胃癌などに比べて低いため、スクリーニング検査は高リスクな人を対象にして行われます (全員に実施すると偽陽性が多くなって費用対効果が悪くなる)。

▼食道癌の症状

食道癌は、唐沢寿明と江口洋介の『白い巨塔』で財前を訴えた患者がかかった疾患ですが、あの時は、 食物がつかえる感じを訴えていました。
他には、食道がしみる感じ、体重減少を訴えることがあります。

癌が他の臓器を浸潤した場合にはその他、様々な症状を呈します。
肺や背骨、大動脈を圧迫するようになると胸痛・背部痛を呈します。
気管、気管支、肺へおよぶと咳となり、反回神経を侵すと嗄声(させい)を来たします。
また、頚部交感神経節が傷害されるとHorner症候群を呈します。

▼食道癌の分類

早期癌は、「粘膜筋板を超えず、リンパ節転移を伴わないもの」と定義されます。

癌ではTNM分類が重要です。
食道癌では、
T(tumor:原発腫瘍)
Tis:上皮内癌
T1:粘膜固有層または粘膜下層に浸潤する腫瘍
T2:固有筋層に浸潤する腫瘍
T3:外膜に浸潤する腫瘍
T4:周囲組織に浸潤する腫瘍

N(所属リンパ節)
N0:所属リンパ節転移なし、N1:所属リンパ節転移あり

M(meta:遠隔転移)
M0:遠隔転移なし、M1:遠隔転移あり

となっています。TNM分類から病期分類され、治療法が決まります。

食道癌

▼食道癌の検査

<食道造影検査>
進行癌にまで至ると2重造影法により辺縁隆起や食道壁の進展不良が見られます。
食道癌造影検査
(97回医師国家試験C10)

<内視鏡検査>
最近では、Narrow Band Imaging(NBI)、蛍光内視鏡など、光を応用して早期の病変を見つけることができます。
また、ルゴール液やトルイジンブルーなどの色素を利用した観察も行われます。
ルゴールでは正常組織が褐色に染まるのに対し、癌では染まらないために病変がよく わかります。
トルイジンブルーでは癌の壊死組織などが染まるために癌病変を見つけることが できます。
そして、癌が疑われる部分の組織を採取して病理診断を行います。
内視鏡では表面しか見えないため、癌の進達度(癌の深さ)を知るには不十分ですが、 内視鏡先端に取り付けられた超音波により癌の進達度を見ることができます。

▼食道癌の治療

早期癌であれば、内視鏡的粘膜切除術(EMR)が行われます。

明らかな遠隔転移のない症例(T3まで)では、全摘が見込める場合に、手術(食道切除術)が行われます。

リンパ節郭清の範囲については、癌腫の占居部位や大きさ、深達度などによって郭清範囲が決定されますが、 頸部、胸部、腹部の3経路からアプローチされるのが一般的です。

食道を切除した後は、食道再建が必要になりますが、胃を用いて食道の再建を行う場合が多いです。
再建ルートとしては、後縦隔経路が多いです。

T4症例や遠隔転移がある場合には、化学療法や放射線療法が主となります。

がん診療ガイドライン