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食道憩室
▼食道憩室の概念
憩室憩室とは、消化管の壁が内圧が高くなることで袋状に膨隆したり(圧出型)、
周囲から引っぱられて袋状に突出(牽引型)したりする異常です。
分類としては、先天性と後天性、真性と仮性、がありパターンとしては4通りが考えられますが、
先天性の多くは真性であり、後天性の多くは仮性憩室です。
真性は憩室壁に筋層があるもの、仮性は筋層を欠くものです。
食道に発生する主な憩室は、Zenker憩室、Rokitansky(ロキタンスキー)憩室、
横隔膜上憩室の3つがありますが、これらは全て後天性憩室です。
<Zenker憩室>
咽頭と食道の間にできる圧出型の仮性憩室です。
<Rokitansky(ロキタンスキー)憩室>
気管支分岐部のリンパ節が瘢痕化することにより牽引された食道に憩室ができる牽引型の真性憩室です。
<横隔膜上憩室>
横隔膜の上にある食道下部にできる圧出型の仮性憩室です。
LES圧が高く食道内圧が上昇しやすいために生じます。
▼食道憩室の症状
症状はあまりありませんが、憩室が大きくなったり、炎症を起こしたりしたときには、
嚥下痛、嚥下困難、食物の停滞感、逆流、嘔吐がみられます。
まれに穿孔を起こし緊急手術となる場合もあります。
▼食道憩室の検査・治療
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)や上部消化管造影検査で診断されます。
無症状の場合、検診などでみつかることもあります。
症状がなければそのままで経過観察としますが、
炎症、出血、圧迫などによる症状がある場合には手術による憩室切除を考慮するようです。