生後4週の男児。嘔吐を主訴に来院。
生後10日ごろから時々哺乳時に溢乳を認めていたが、次第に噴水状の嘔吐となった。
右上腹部に示指頭大の腫瘤を触れる。
正しいのはどれか。2つ選べ。
a 無胆汁性嘔吐である。
b 代謝性アシドーシスを伴う。
c 腹部エックス線単純写真でdouble bubble signを認める。
d 注腸造影で結腸は全般に細い。
e 幽門筋切開術が有効である。
生後4週という時期に噴水状の嘔吐を生じた場合、まず考えられるのが先天性幽門狭窄症です。
先天性幽門狭窄症では、幽門部の輪状筋が肥厚のため通過障害が生じ、何とか胃の内容物を送ろうと
蠕動が強く起こるため嘔吐は噴水状となります。
右上腹部の示指頭大の腫瘤は、肥厚した幽門部と考えられます。
肥厚性幽門狭窄症は胆汁が十二指腸に流入する部位よりも口側に狭窄があるため、嘔吐は無胆汁性となり、
治療としては幽門筋切開術があります。
したがって、解答はaとeになります。