期外収縮
▼期外収縮の概念
期外収縮は、心臓のある部分が勝手に興奮をしたことによる不整脈です。
勝手に興奮した部位が、心房であれば心房性期外収縮となり、心室であれば心室性期外収縮になります。
心電図で、心室性期外収縮を見てみます。
心電図は、大きく、P波、QRS波、T波で成り立ちます。
アルファベット順で、P、QRS、T、などで覚えやすいかと思います。
P波は、心房の興奮、QRS波は心室の興奮、T波は心室の再分極、です。
図では、P波、QRS波、T波が正常どおり見られますが、途中で心室性の期外収縮が起こっています。
形状は、幅の広いQRS波であり、心室の期外収縮と考えられます。
心室には左室と右室がありますが、
12誘導を見ると期外収縮が起こったのが左室か右室かも区別ができます。
左室で期外収縮が起これば、その興奮が後に右室へと伝わるので、右脚ブロックのような形になります。
一方、右脚で期外収縮が起これば、その興奮が後に左室へと伝わるので、左脚ブロックの形になります。
期外収縮は、負荷のかかっている心筋で生じることがあります。
たとえば、肺高血圧があって、右心室に圧負荷がかかっている場合、右心室で期外収縮が生じます。
▼期外収縮の症状
心房性期外収縮であれ、心室性期外収縮であれ、単発期外収縮であれば
多くは無症状です。
ただし、注意しなければならないのが、R on Tと呼ばれる期外収縮です。
これは、T波が出ているときに、期外収縮が生じたもので、心室細動となる可能性が指摘されています。
また、期外収縮が連発した場合(short run)も心室細動となる可能性が指摘されています。
▼期外収縮の治療
心房性期外収縮ではジソピラミド、心室性期外収縮ではリドカインなどの抗不整脈薬が使われます。