TOP>腎臓>Fanconi症候群
Fanconi症候群
▼Fanconi症候群の概念
Fanconi症候群は近位尿細管での再吸収がなされない病態です。
近位尿細管で吸収されるのは、ブドウ糖、アミノ酸、リン、HCO3-などです。したがって、
これらの血清値が下がります。
Fanconi症候群は、遺伝によるものと、後天性に起こるものがあります。後天性の原因としては、カドミニウムや水銀、
ウィルソン病、薬剤(テトラサイクリン、アミノグリコシドなど)があります。
▼Fanconi症候群の症状
ブドウ糖とアミノ酸(シスチン以外)に関しては、再吸収が低下してもその分を補って摂取していれば無症状です。
尿中に糖が出るために検診などで引っかかることは考えられます。
ただし、アミノ酸のシスチンは尿路結石の原因となります(シスチン結石)
リンが低下すると、くる病や骨軟化症となります。
また、HCO3-が低下するとアシドーシスに
なります(U型尿細管性アシドーシスと同様)。