慢性腎不全
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慢性腎不全

▼慢性腎不全の概念

慢性腎不全は、腎臓の能力が、数カ月から数年かけて徐々に低下してきた病態です。

Seldinの分類で第3期以降を狭義の慢性腎不全、第2期以降を広義の慢性腎不全としています。

Seldinの分類
病期 GFR 症状
第1期(腎予備力低下期) 50ml/min以上 無症状
第2期(腎機能障害期) 20〜50ml/min 尿濃縮力障害により夜間多尿
第3期(腎不全期) 10〜20ml/min 電解質異常
第4期(尿毒症期) 10ml/min以下 尿毒症による多彩な全身症状

最近は慢性腎臓病(CKD)という言葉もあります。慢性腎不全とは別で生活習慣病の一種です。
CKDは慢性的に腎機能が低下している状態をさす考え方で、尿タンパクが陽性などの腎疾患を示す所見、または、 GFR60mL/分未満、が3カ月以上持続する人と定義されています。

▼慢性腎不全の症状

慢性腎不全でも急性腎不全と同様の症状がでます。
電解質異常、高血圧、腎性貧血、易感染性を呈します。

高血圧になるのは、水が体内にダブつくためとレニン−アンギオテンシン−アルドステロン(RAA)系の 亢進によるためです。

貧血は、腎臓が赤血球産生に必要なエリスロポエチンを産生することができなくなるために起こります。

易感染性となる機序は明らかではありませんが、リンパ球数減少、白血球遊走能低下、細胞性・体液性免疫能の低下が 見られます。

▼慢性腎不全の治療

一般に食事療法は重要です。

また、血圧が高い場合には降圧療法も必要となります。治療は病期によって異なりますが、 初期であればACE-IやARB+利尿薬、腎不全が進んだ状態ではCa拮抗薬が使われます。

貧血に対しては、現在はエリスロポエチン製剤が投与されます。

電解質異常に対しても個々の対応を行いますが、 末期の腎不全では最終的には透析となります。

▼医師国家試験(第101回A37)

75歳の女性。
膝と踵との痛みを主訴に来院。
25年前から糸球体腎炎による末期腎不全のため血液透析を受けている。
6か月前から歩行時の両膝の痛みを自覚し、最近は踵にも痛みを感じるようになった。
血液所見:赤沈40mm/1時間、赤血球360万、Hb10.8g/dl、Ht32%。
血清生化学所見:BUN86mg/dl、クレアチニン9.2mg/dl、ALP600IU/l(基準260以下)、 Na140mEq/l、K5.3mEq/l、Cl 106mEq/l、Ca11.5mg/dl、P6.4mg/dl、PTH880pg/ml(基準10〜60)。
動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.43、PaO2 82Torr、PaCO2 47Torr、HCO3- 28mEq/l。

ほかに行う検査として適切なのはどれか。2つ選べ。

a 腎生検
b 頭部CT
c 頸部超音波検査
d 副腎シンチグラフィ
e 手指骨エックス線撮影

膝と踵の痛みを訴えている血液透析の患者に関する問題。
膝の痛みは関節病変とも考えられるが、踵の痛みから骨の異常を疑います。
腎不全では、ビタミンD活性化が傷害されるために腸管からのCaの吸収が低下するためにPTHが亢進します。
本症例でもPTH880pg/mlと高値となっており、骨が脱灰された結果、Ca、Pともに高くなっていると 考えられます。
したがって、腎性骨異栄養症と考えられます。

必要な検査としては、副甲状腺の過形成状態を見るcの頸部超音波検査と骨の状態を見る eの手指骨エックス線撮影になります。