膵癌
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膵癌(膵管癌)

▼膵癌の概念

膵癌(膵管癌)は外分泌の働きを持つ細胞、特に膵液が流れる膵管の細胞(膵管上皮細胞)から発生する癌で、 内分泌の働きを持つ細胞にできる腫瘍(膵内分泌腫瘍)とは区別されます。

膵癌は60歳以上の高齢者に好発します。慢性膵炎や仮性嚢胞からの発癌が見られますが、 因果関係ははっきりしていません。喫煙はリスクを増大させると考えられています。
また、家族歴が重要と考えられています。

膵臓癌の死者数は2004年の統計では肺癌、胃癌、大腸癌、肝臓癌に次いで5位と比較的多い癌といえると 思います。

膵癌ができた場所によって、膵頭部癌、膵体部癌、膵尾部癌に分けられます。
膵頭部癌が最も多いです。

膵癌は早期発見が難しい癌で、予後は不良です。

▼膵癌の症状

初期では無症状なので、症状を呈した場合には進行癌であることも多いです。

癌が大きくなって膵液をせき止めると局所的な膵炎を引き起こすために腹痛を生じます。 急性膵炎や慢性膵炎と同じく背中に放散し、前屈により軽減するため前屈姿勢をとります。
また、癌が後腹膜神経叢に浸潤した場合にも背中や腰に放散する腹痛を訴えます。

膵頭部癌では総胆管を詰まらせることがあり、胆汁うっ滞を生じ黄疸を呈します。
膵頭部癌では黄疸が生じるので膵体部癌や膵尾部癌よりも発見が早くなり予後は良いとされます。

腹痛による食欲不振、外分泌機能障害による脂肪吸収阻害などにより体重が減少します。
るいそうが進むと腫瘤として膵癌を触れることができます。

また、内分泌機能障害により糖尿病を呈することがあります。急激に糖尿病を発症した場合は膵癌を 疑う必要があります。

▼膵癌の検査

<血液検査>
腫瘍マーカーとしてはCA19-9、SPan-1、DUPAN-2、エラスターゼ1などがあります。
CA19-9は膵癌以外でも胆管・胆嚢癌、肺癌、乳癌、生殖器癌などで陽性となることがあります。
SPan-1、DUPAN-2はCA19-9に類似したI型糖鎖抗原に属する腫瘍マーカーです。
エラスターゼ1は主として膵に存在する蛋白分解酵素で膵炎でも上昇しますが、末期の膵臓癌では値は低下するとされ 早期診断に有効といわれているようです。

<画像検査>
・腹部エコー:ある程度大きくなった癌は斑状の腫瘤として低エコーで 描出されます。また、腫瘍が膵管を圧迫することで それよりも末梢の膵管が拡張してみえることがあります。
膵癌の腹部エコー
また、癌が疑われた場合にはEUS(超音波内視鏡)による癌の進展度検査が有用です。

・CT:造影で染まらない(hypovascularな)腫瘤陰影を呈します。なお、膵内分泌腫瘍はhypervascularとなります。
また、膵癌の拡がりやリンパ節転移、遠隔転移を知る上でも有用です。

・MRCP、ERCP:腫瘍に圧排されたことでの膵管の途絶、それよりも末梢での拡張、膵管壁の不整などが 見られます。

・上部消化管造影:膵頭部癌が大きくなると十二指腸が圧排された所見が見られます。

<膵生検>
最近ではEUS(超音波内視鏡)下で膵生検(EUS-FNA)を行い診断を確実にします。

▼膵癌の治療

<手術>
膵頭部癌では膵頭十二指腸切除術(PD)、膵体部癌と膵尾部癌には膵体膵尾部切除術を行います。
以前は、拡大リンパ節郭清、神経叢郭清を伴う拡大手術が行われましたが、 RCTの結果で拡大郭清群が治療成績不良と判明し、最近では行わなくなっているようです。
なお、肝臓や肺などへの遠隔転移、N3リンパ節転移、SMAなどの主要動脈転移例、腹膜播種が見られる場合は 手術非適応となります。

<化学放射線療法>
手術不能膵癌では化学放射線療法が推奨されています。
効果が認められて癌のステージが下がった場合に、手術適応となることがあります。

<化学療法>
遠隔転移例では化学療法を行います。塩酸ゲムシタビン(GEM)が第一選択となります。
塩酸ゲムシタビンには症状緩和効果もあるとされます。
また、GEMにerlotiniberlotinib(EGFRチロシンキナーゼ阻害剤)あるいはcapecitabine(経口5-FU製剤)を 併用することでGEM単独よりも効果があったという報告があります。

膵癌診療ガイドライン2006年度版