胆嚢癌
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胆嚢癌

▼胆嚢癌の概念

胆嚢に原発した悪性腫瘍でほとんどが腺癌です。
胆嚢癌患者の半数以上が胆石を合併しています。しかし、胆石が胆嚢癌を引き起こすかどうかは 不明です。
また、胆嚢癌患者の20%で膵胆管合流異常を合併しますが、こちらも因果関係は明らかではありません。

胆嚢は肝と接しているため胆嚢癌は容易に肝臓に浸潤し、また胆嚢は血行、リンパ流ともに豊富な臓器であるため、 肝転移も起こしやすいです。

早期胆嚢癌の定義ですが、粘膜(m)または固有筋層(mp)にとどまるものをいいます。
しかし、早期癌で見つかるのは20%以下で、高度進行例で見つかることが多いです。

▼胆嚢癌の症状

胆石を伴えば右季肋部痛が生じますが、症状は乏しいことが多く、進行するまで気付かれないことも 多々あります。
進行すると上腹部痛、黄疸、右季肋部腫瘤などの症状を呈します。

▼胆嚢癌の検査

血液検査では、進行するとCEA、CA19-9などの腫瘍マーカーが上昇します。

画像検査ですが、癌の進達度は治療と予後に大きく影響を与えることから、画像診断は重要です。 エコー、CT、MRI、EUS(超音波内視鏡)などより、術前診断がなされます。

▼胆嚢癌の治療

基本は手術になります。
早期癌(m,mp)であれば、単純胆嚢摘出術が行われます。
mpまで達している場合には、10%以上でリンパ節転移がみられることから、 D1リンパ節郭清が追加されることもあります。

ss癌(漿膜下層に達する)の場合、その範囲については議論があるものの、一般的には胆嚢摘出に加えて、 肝切除やリンパ節郭清(D2+no.16)を行います。

se(漿膜面に露出する)、si癌(他臓器に浸潤する)では、5年生存率は5〜10%と厳しいですが、 根治性が見込める場合には、肝部分切除などが行われることもあります。
また、姑息的治療として、手術を行うこともあります。

化学療法は膵臓癌に使われているGEMに期待がもたれています。

胆嚢癌治療の現況