腎・泌尿器疾患(尿管結石)の合併症妊娠
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腎・泌尿器疾患(尿管結石)の合併症妊娠

▼尿管結石の合併症妊娠

第103回医師国家試験の問題で尿管結石の問題が出題されました。
A55
33歳の初妊婦。妊娠34週。
右側腹部の疝痛と肉眼的血尿とを主訴に来院。
意識は清明。身長163 cm、体重66 kg。
脈拍96/分、整、血圧130/70 mmHg、尿潜血3+
血液所見:赤血球377万、Hb 10.2 g/dl、Ht 33%、白血球10,200、血小板23万。
血液生化学所見:尿素窒素32 mg/dl、クレアチニン1.2 mg/dl、尿酸4.5 mg/dl。
腹部超音波検査で右水腎症を認め、腹部単純CTで右尿管下部に3mmの結石を疑う石灰化像を認める。
対応として適切なのはどれか。2つ選べ。

a 輸液
b 尿管ステント留置
c 腹腔鏡下尿管切石術
d インドメタシン坐薬
e 体外衝撃波結石破砕術(ESWL)

側腹部の疝痛と肉眼的血尿からまず尿管結石を考えます。
通常、3mmの結石ならば輸液をしながら、消炎鎮痛剤で痛みを抑えて、自然排石を 期待してよいと思われます。
しかし、妊婦、特に妊娠末期である場合、消炎鎮痛剤(NSAIDs)により 動脈管の閉鎖をまねくため使いにくいです。アセトアミノフェンなら使用できるようですが、 インドメタシンは注意が必要です。
ESWLも安全性の確立がされてないため控えたほうが良いと思われます。
したがって、水腎症も来たしているため、正解はbで尿管ステント留置で尿路を確保すると思われます。