多胎妊娠
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多胎妊娠

▼多胎妊娠の概念

2人以上の胎児がいる状態で、2人では双胎、3人では品胎(口が3つあるという意味か?)と呼ばれます。
多いのは双胎で、一卵生と二卵生があります。
双胎は2つの精子が受精した場合だと小学校の先生に言われた記憶があるのですが、 それだと染色体が69になって胞状奇胎になってしまいます…
ひとつの卵子で普通に受精が起こって、その後の細胞分裂の過程で2つに分割されたのが一卵生双胎です。
そのため一卵生では遺伝情報が完全に一致します。
卵子が二つあって、それぞれに受精が起こったものが二卵生です。

産科的には、一絨毛膜か二絨毛膜か(胎盤が一つか二つか)、一羊膜か二羊膜かが問題になります。
二卵生であれば二絨毛膜二羊膜性(DD)になり特徴的な合併症はありません。
一卵性だと双胎になった時期により二絨毛膜二羊膜性(DD)、一絨毛膜二羊膜性(MD)、 一絨毛膜一羊膜性(MM)のいずれかなります。
一絨毛膜二羊膜性(MD)では胎盤が一つなので双胎間輸血症候群(TTTS)を合併する可能性があります。
一絨毛膜一羊膜性(MM)では羊膜が一つなので羊膜内で互いの臍帯が絡み合う可能性もでてきます。

多胎妊娠は生殖補助医療で増えていますが(特に品胎以上)、多くは二卵性など多卵性になります。

▼多胎妊娠の症状

子宮は単胎よりも大きくなり、便秘、頻尿の程度もひどくなります。また、多胎ではhCGの上昇も大きくなり つわりの程度もひどくなります。

▼多胎妊娠の診断

血液検査でのhCG値は単胎よりも大きくなります。
超音波検査では、二絨毛膜二羊膜性(DD)では胎嚢が二つみえます。
胎嚢がひとつなら、単胎、一絨毛膜二羊膜性(MD)、一絨毛膜一羊膜性(MM)が考えられますが、 一絨毛膜二羊膜性(MD)か一絨毛膜一羊膜性(MM)かの鑑別は羊膜によりますが、超音波では 妊娠10週以降にわかるようになります。

▼多胎妊娠の合併症

<周産期死亡>
周産期死亡率は妊娠22週から出産後1周までの死亡率ですが、単胎に比べてDDでは2倍、MDで10倍、MMで 数十倍といわれています。
MDでは双胎間輸血症候群(TTTS)を合併する可能性があること、MM では羊膜が一つなので羊膜内で互いの臍帯が絡み合うといったことが起こるためです。

<早産>
胎児がひとり増えると分娩週数は3週間短くなるといわれています。
したがって、双胎の平均分娩週数は37週で早産となる比率も高いです。

<妊娠貧血>
妊娠末期には母体は貧血になりやすいことが知られていますが、多胎ではなおさら生じやすくなります。

<双胎間輸血症候群(TTTS)>
一絨毛膜性双胎では胎盤を共有していますが、血管吻合によって血液自体も共有しています(一絨毛膜性双胎 は一卵性なのでそのこと自体は問題ではない)。そして、一方の児(供血児)からもう一方の児(充血児)へと 血液が流れると血液の取り分がアンバランスとなります(動脈−静脈吻合の割合に差があると 考えられます)。これを双胎間輸血症候群(TTTS)といいます。
一絨毛膜二羊膜性双胎の内、10〜15%がTTTSを合併するようです。

供血児は血液が減るので貧血、IUGR、尿量減少による羊水過少、場合によってはショックとなり死亡します。
充血児は血液が増えるので心臓への負担が増え心不全、浮腫(非免疫性胎児水腫)、尿量増加 による羊水過多などを呈します。

治療ですが、羊水過多児に対して羊水穿刺等を行うことがあります。しかし、胎児の神経学的な予後の 改善までは見込めないようです。
最近では、子宮に内視鏡を刺してレーザーで胎盤での吻合血管を焼却する治療を行っている施設があります。胎児の 神経学的予後の改善が報告されていますが、早産等の手技による合併症も報告されています。
一般的には、胎児心拍数図等で胎児の状態を確認しながらできるだけ妊娠週数を延ばし、 胎児の状態の悪化がある場合には分娩し新生児治療にあたるようです。

<児の一児死亡>
一絨毛膜性に見られます。妊娠初期に生じた場合には問題にはなりません。後期に生じた場合、 母体に死児症候群が生じたり、一絨毛膜性では吻合血管があるために死児から凝固因子や壊死物質が 生存している胎児に流れ込んだり、死児にも血液を送るようになるため(死児が大きくなる!)、循環血漿量が低下し 神経学的予後が不良となることがあります。