妊娠糖尿病
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妊娠糖尿病

▼妊娠糖尿病の概念

妊娠糖尿病は、これまで糖尿病でなかった人が妊娠により血糖値が高くなった 状態を指します(しかし、そもそも妊娠糖尿病は診断基準が厳しい)。
元々糖尿病がある場合は糖尿病合併妊娠になります。

妊娠をすると、胎児にブドウ糖をまわそうと、 胎盤からインスリン拮抗作用があるhPL(ヒト胎盤ラクトーゲン)というホルモンが産生され母体の 耐糖能は低下する傾向があります(妊娠中は空腹時血糖値は下がりやすく、食後血糖は上がりやすい)。
したがって、元々、肥満であったり、2型糖尿病の家族歴のある患者などでは妊娠前は正常の血糖値であっても 妊娠後に糖尿病となるケースがあります。
しかし、そもそも妊娠糖尿病は診断基準が厳しい、というのも妊娠糖尿病になる理由ではあります。

<診断基準>
75g経ロブトウ糖負荷試験で、空腹時血糖値≧100(mg/dL)、1時間値≧180、2時間値≧150

通常の糖尿病の診断基準は空腹時血糖≧126、2時間値≧200なので、基準は厳しいです。

診断基準は、75g経ロブトウ糖負荷試験によりますが、肥満、2型糖尿病の家族歴、35歳以上、経産婦などの などのリスクファクターがある患者には検査が推奨されています。

▼妊娠糖尿病の合併症

血糖コントロールが不良の場合、重篤な合併症の危険があります。

<母体合併症>
・流早産
流早産の頻度が上昇しますが、 糖尿病による易感染性で絨毛膜羊膜炎(CAM)の合併頻度が高くなるためと考えられます。

・妊娠高血圧症候群
妊娠糖尿病は妊娠高血圧症候群を高率に合併します。
どちらも肥満者に多いなどの特徴があり発症の要因が共通である可能性もあります。また、妊娠糖尿病による 血管障害は妊娠高血圧症候群に影響する可能性が考えられます。

<胎児・新生児合併症>
・奇形
特に妊娠初期の高血糖は催奇形性が明らかです。したがって、妊娠初期における血糖値の測定、管理が 重要です。

・巨大児
胎児の血糖が高くなり、胎児のインスリン分泌が亢進するために巨大児となり、 遷延分娩、肩甲難産になりやすくなります。
血糖コントロールが不良であったり胎盤血流が低下する場合はIUGRとなる場合もあります。

・新生児低血糖症、低Ca血症
出産後、インスリン分泌亢進状態にあるために低血糖となります。また、 インスリンはマグネシウム取り込みに関与するため低Mgと低Ca血症となることがあり、痙攣等を 生じることがあります。

・RDS
高血糖状態がサーファクタントを産生するU型肺胞上皮細胞の成熟を遅延させると 考えられています。

・高ピリルビン血症

▼妊娠糖尿病の治療

目標は食前血糖値≦100(mg/dL)、食後2時間値≦120、HbA1c正常範囲内です。
かなり厳しいものになっていることに注目する必要があります。

<食事療法>
1日の総カロリーは、標準体重(kg)×30kcal+付加量(前半は150kcal、後半は350kcal)とします。
妊娠中は空腹時の血糖低下、食後の高血糖が目立つため、分割食とすることが推奨されます。

<インスリン療法>
食事療法で目標に達しない場合、インスリン療法を行います。 経口糖尿病薬は催奇形性、胎児の低血糖等を引き起こすために禁忌です。
インスリン必要量は妊娠末期に増加するなど、妊娠期による調整等が必要となります。