胞状奇胎
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胞状奇胎

▼胞状奇胎の概念

妊娠初期に胎盤を形成する絨毛膜の絨毛が病的に増殖し嚢胞になったものです。
胎児成分を認めるものを部分胞状奇胎、認めないものを全胞状奇胎といいます。
部分胞状奇胎の核型は3倍体が多く、全胞状奇胎では核型の多くは46,XXです。
部分胞状奇胎ではその後に絨毛癌に至ることはないとされますが、全胞状奇胎では1〜2%で絨毛癌へ発展します。

頻度は妊娠500件に1件くらいです。

胞状奇胎が生じるのは、部分胞状奇胎では核を持った健常卵子に2精子受精したためであり(そのため核は3倍体になる)、 全胞状奇胎では卵子由来の核が脱落(あるいは不活化)したところに1精子受精(これが倍化して46XXになる)あるいは 2精子受精した雄核発生と考えられています。

▼胞状奇胎の症状

胞状奇胎ではhCG産生が亢進することにより様々な症状を引き起こします。

・妊娠悪阻
つわりがひどい状態は妊娠悪阻といいますが、妊娠悪阻になる頻度が胞状奇胎では非常に 高いです。
胞状奇胎ではhCGが非常に高値になるためといわれています。

・不正性器出血
正常妊娠でも切迫流産では不正性器出血を呈しますが、本疾患でも出血、腹痛を呈します。

・ルテイン嚢胞
hCGが高値のため妊娠黄体からのEとP産生が亢進し、黄体嚢胞(ルテイン嚢胞)となります。

・甲状腺機能亢進症
hCGはTSHと構造が類似しておりTSH作用があるために甲状腺機能亢進症を来たします。

▼胞状奇胎の検査

<ホルモン検査>
胞状奇胎ではhCG産生が亢進します。
血中のhCGは正常妊娠であればピークが妊娠10週で100,000程度(10週で10万とは覚えやすい!)で、その後減少しますが、 胞状奇胎では際限なく上昇していきます。
一方でhPLは正常妊娠と比べて低値となります。

<超音波検査>
経膣エコーでは嚢胞が多数の小胞として描出されます。

▼胞状奇胎の治療

<子宮内容除去術>
部分胞状奇胎、全胞状奇胎のどちらであっても子宮内容除去を施行し、その後、病理検査を 行います。病理検査を行うのは、部分胞状奇胎と全胞状奇胎の鑑別、侵入胞状奇胎と絨毛癌の否定のためです。
その後の出産を希望しなければ子宮全摘が行われることもあります。

<化学療法>
非腫瘍性病変ですが、肺に転移することがあり(転移性奇胎)、その場合、メトトレキサートなどの化学療法を行います。

▼奇胎後管理

胞状奇胎はその後に侵入胞状奇胎と絨毛癌へと発展することがある ために奇胎後管理(経過観察)が必要です。