子宮内膜症と子宮腺筋症
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子宮内膜症、子宮腺筋症

▼子宮内膜症と子宮腺筋症の概念

子宮内膜症は子宮内膜(類似)組織が異所性に存在する疾患です。

最も多いのは卵巣(チョコレート嚢胞など)ですが、ダグラス窩(子宮と直腸の間)、 仙骨子宮靭帯、膀胱子宮窩にも生じ、多くは骨盤内です。
まれに骨盤外にも生じることがあり、皮膚に生じた場合は月経時に皮膚から出血が起こったり、 肺に生じた場合には月経時に気胸となったりします。
子宮内膜組織が子宮の筋層内に存在するときは子宮腺筋症という別名があります。

子宮内膜症が異所性に存在する理由は明らかとなっていませんが、子宮内膜が移植する説などが あります。
子宮腺筋症では子宮内膜が筋層内へ直接浸潤することによると考えられています。

▼子宮内膜症と子宮腺筋症の症状

子宮内膜症がどこに生じているかで症状は様々です。

<骨盤内に存在している場合>
月経痛(月経時に子宮内膜組織が剥離、出血するために骨盤内の知覚神経が刺激される)
・子宮腺筋症を合併していなければ骨盤内での出血なので過多月経はない。
・進行すると非月経時にも下腹部痛、排便痛、性交痛(骨盤内で子宮内膜の脱落と出血を繰り返した後、 周囲と癒着して凍結骨盤となるため)
不妊(因果関係は明らかだが癒着がなくても不妊となるなど原因は不明)

<子宮腺筋症の場合>
・子宮内病変なので症状は子宮筋腫と類似
過多月経、場合によっては不正出血、月経痛(子宮筋層の内膜組織から出血するため)

▼子宮内膜症と子宮腺筋症の診断

画像検査が有用です。

<エコー>
チョコレート嚢胞で特に有用です。96回医師国家試験D39でも出題されています。

チョコレート嚢胞

<MRI>
チョコレート嚢胞では一般的にはT1、T2ともに高信号を呈しますが、壊死部分はT2で低信号となります。
子宮腺筋症は筋層内に点状の高信号域が見られます。子宮筋腫は一般に境界明瞭な腫瘤病変なので鑑別できます。
この鑑別は99回医師国家試験でも出題されています(A39)。

子宮腺筋症

▼子宮内膜症と子宮腺筋症の治療

<対処療法>
・鎮痛剤
対処療法として用いられます。

・低用量ピル、ジェノゲスト
妊娠中には月経が生じないため月経痛から開放されることからプロゲステロンが治療に使われます。
偽閉経療法の副作用である骨量の減少等がなどのメリットもあります。
しかし、プロゲステロン等は高血圧、虚血性心疾患等の患者には禁忌です。

<偽閉経療法>
子宮内膜組織はエストロゲンに反応して増殖するので、低エストロゲン状態とすることで症状の軽快が見込めます。
・GnRHアナログ
GnRHアナログを投与するとLH、FSHの分泌が上昇しエストロゲンの分泌が上昇するために悪化する印象を 持ちますが、実際には全く逆になります。
その理由として、生理的にGnRHはパルス状の分泌をしているのに対し、GnRHアナログ投与では パルス状とはならず一定濃度が保たれるために下垂体でのGnRH受容体数の減少(ダウンレギュレーション)を引き起こすため、 と説明されています。
その結果、LH・FSHの分泌は低下し、E・Pの分泌も低下し、子宮内膜症が萎縮します。
閉経期と同様の状態となるので副作用としてのぼせなどがあります。また、長期間投与で骨密度が低下することが 知られており、長期投与は行われません。

・ダナゾール
テストステロン誘導体でLH・FSH分泌を抑制し低エストロゲンとします。

<手術療法>
・根治手術
子宮と卵巣を摘出すれば根治となるため、妊娠の希望がない重症の高齢者で適応となります。

・妊孕性(にんようせい)を残した保存的手術
チョコレート嚢胞がある程度大きくなった場合、嚢胞摘出術が行われます。
また、子宮内膜症があると不妊になることが知られていますが、腹腔内環境の改善により 妊娠率が向上すると期待でき、腹腔鏡(ラパロ)下での癒着剥離等も行われます。