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慢性疾患による貧血
▼慢性疾患による貧血の概念
慢性感染症、慢性関節リウマチや膠原病、癌などの慢性疾患では、
赤血球の産生が低下し貧血を引き起こすことがあります。
その原因は、慢性疾患に対する免疫反応としてのサイトカインが赤芽球系コロニーを抑制
するためです。
骨髄での赤血球産生が抑えられますが、激しく抑制されるわけではないので、貧血はゆっくりと進み、
症状はみられないこともあります。
▼慢性疾患による貧血の検査
一般に小球性低色素性貧血となりますが、鉄の動態は鉄欠乏性貧血と大きく異なります。
慢性疾患による貧血では、貯蔵鉄を利用できなくなります。
したがって、血清鉄は減少しますが、貯蔵鉄を反映するフェリチンはむしろ増加します。
また、TIBCも低下傾向で、UIBCも低下します。
▼慢性疾患による貧血の治療
あまり効果的な治療はなく、原因疾患に対する治療が中心となります。
場合によっては、エリスロポエチンの投与や貧血が重症化した場合には、輸血を行います。