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Bartter症候群、Gittleman症候群
▼概念
Bartter症候群とGittleman症候群は、高レニン性の続発性アルドステロン症にも関わらず血圧が正常な
奇異な疾患です。
Bartter症候群はNa-Cl-2Cl共輸送体、
Gittleman症候群はNa-Clポンプに異常があるために生じます。
これらのポンプに異常があるとNaが再吸収されないために、代わりに
アルドステロン作動性のNa-Kポンプが
フル稼動してNaの再吸収が保たれます。
したがって、低K血症となり代謝性アルカローシスとなります。
臨床的なBartter症候群とGittleman症候群の違いですが、Bartter症候群では幼少期から低カリウム血症による
症状を呈します。
また、検査値的には、Gittleman症候群では全例に低Mg血症が見られるといった違いがあります。
▼偽性Bartter症候群
Bartter症候群はNa-Cl-2Cl共輸送体がうまく作動しない疾患ですが、
ループ利尿薬はこのポンプを阻害し利尿を図ります。
したがって、ループ利尿薬を使いすぎると、Bartter症候群と同じ低K血症、代謝性アルカローシスを
呈します。
これを偽性Bartter症候群といいます。
▼症状と治療
低K血症のために筋力低下、四肢麻痺などの症状が出ます。また、本症では発育に障害が生じ低身長となります。
治療は、低K血症に対してのKの補充(KCl)、アルドステロンに拮抗するスピロノラクトンの投与を行います。