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慢性気管支炎
▼慢性気管支炎の概念
慢性気管支炎は、気管や気管支に慢性的に炎症が生じ、長期間、咳や痰が続く病気のことです。
1959年にFletcherにより定義されました。
長引く風邪のようなイメージでしょうか。長期間とは2年以上連続して少なくとも冬に3ヶ月以上、とあります。
肺気腫とともに、COPDという疾患概念の枠組みで捉えられていることが多いです。
肺気腫が肺胞主体の病変に対して、
慢性気管支炎はより中枢の気管や気管支の病変というイメージです。
▼慢性気管支炎の原因と症状
喫煙、NOxやSOxなどの大気汚染物質が病因と考えられています。ただ、慢性化する機序について
は、明らかではないようです。
症状としては、長期的に持続する咳、喀痰が主症状で、特に冬に増悪します。
本症では、気道に病変があるために、防衛能力が低下しています。
したがって、気道感染を起こしやすく(原因菌はインフルエンザ桿菌が多い)、
その場合には、生じた痰などで気道が閉塞され急激に呼吸機能が
低下することがあります。
低酸素状態になると、肺の血管は細くなるため肺の血圧は高くなり(肺高血圧)、心臓に負荷がかかり、右心不全と
なることがあります。