原発性無月経(Turner症候群)
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原発性無月経(Turner症候群)

▼原発性無月経の概念

18歳になっても月経がない場合を原発性無月経といいます。
原発性無月経は比較的稀です。
その原因は、月経の原理を考えると想像がつきます。
視床下部からGnRH→下垂体からFSH、LH→卵巣からエストロゲンとプロゲステロン→子宮内膜の肥厚と成熟→月経
となるので、原因は、視床下部、下垂体、卵巣、子宮、その他、に分けることができます。
頻度としては、卵巣性(Turnerなど)が最も多いです。

▼Turner症候群

女性であれば46本の染色体がありそのうち性染色体のX染色体は2本(46,XX)あるに対し、 Turner症候群はX染色体のモノソミー(モノはひとつの意味)で45,XOである疾患です。
しかし、症候群といわれるように実際には、モザイク型(細胞が45,XOだったり46,XXだったりする)であったり、 X染色体の一部が欠損している場合もあります。

頻度は、女児1000人に対して1人といわれています。

女性はX染色体が2本あり、通常、どちらかの1本は不活化されているという話なので(Lyonization)、 Turnerは大した障害が起こらないように思いますが、実際には、さまざまな症状がでます。

有名なのが、低身長で多くは140cm程度です。低身長になる原因はわかっていないようです。
他に外反肘、翼状頸などの奇形がみられます。また、 心血管奇形(大動脈縮窄症など)、馬蹄腎などを合併することがあります。

生殖器ですが、子宮、膣はあるのですが、卵巣は索状になって機能していません。
そのためエストロゲンが分泌されず第二次性徴が遅れ、無月経となります。
ただ、子宮、膣はあるのでホルモン補充療法(Kaufmann療法)により出血を起こすことが できます。

ホルモン値ですが、卵巣は瘢痕化しておりエストロゲンが分泌されないためエストロゲンは低値となります。

そして、ネガティブ・フィードバックがかからないためにLH、FSHの分泌は亢進します。

GnRH負荷試験ではLH、FSHは過剰反応を示しさらに分泌が亢進します。

<治療>
エストロゲンの補充療法を行います。また、低身長に対して、成長ホルモンの投与も行われます。