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強迫性障害
▼強迫性障害の概念
映画「アビエイター」の主人公や「恋愛小説家」の主人公など、比較的、よく見かける疾患です。
不安障害のひとつで、強迫観念と強迫行為を呈します。
強迫観念は、本人の意志と無関係に頭に浮かぶ不快感や不安感です。
強迫行為は、不快な存在である強迫観念を打ち消したり、振り払うための行為で、
自分ではおかしいとわかっているのに、意味なく手を20回ぐらい洗ったり、何度も戸締りを確認したりします。
生物学的な研究ではセロトニンの関与(したがってSSRI等が有効と考えられる)や前頭前野と帯状回・大
脳基底核を結ぶ回路の機能亢進などがいわれています。
▼強迫性障害の診断
強迫観念と強迫行為が明らかであれば診断がつきますが、
他の精神疾患(統合失調症など)の合併がみられる場合もあります。
▼強迫性障害の治療
精神療法では特に、森田療法が有効とされます。
しかし、強迫性障害が、統合失調症の一表現であった場合などは、
悪化することが知られています。
薬物療法として、最近では抗うつ薬であるSSRI、特にフルボキサミン(商品名:ルボックス)がよく処方されています。
不安がある症例には、抗不安薬が用いられることもありますが、長期間投与となる場合もあり、依存の問題などに
注意が必要です。