蛋白漏出性胃腸症は、消化管粘膜から蛋白質(特にアルブミン)が漏れ出すために
低蛋白血症(低アルブミン血症)を来たす疾患です。
代表的な病気として、Menetrier病(メネトリエ病)と腸リンパ管拡張症があります。
低蛋白血症(低アルブミン血症)による浮腫が主な症状です。
リンパ系の異常に基づく症例では、乳び性の胸水・腹水がみられます。
消化管の粘膜障害がある場合には、下痢、腹部膨満感、腹痛などの消化器症状を呈します。
また、本症では蛋白のみならず脂肪も漏れ出すことが多く、脂肪便、脂溶性ビタミン欠乏症を伴うことがあります。
間接的な所見として、低蛋白血症(低アルブミン血症)、血清鉄、血清Caの低下が見られます。
蛋白漏出を直接みる検査としては、蛋白漏出シンチグラフィが有用です。
99mTc-HSAを静注した後、一定時間毎に撮像します。どの部分で蛋白漏出が起こっているのか
直接みることができます。
食事療法として高蛋白食、高カロリー食とします。アルブミンの点滴も行われますが、
基礎疾患の治療がうまくいかないと補充したところで
漏出は止まりません。
胃巨大皺壁症とも呼ばれます。
胃腺と上皮の増殖肥厚により胃粘膜ひだが巨大となり、脳のしわのような肉眼的所見を呈します(大脳回様)。
壁細胞と主細胞の消失が見られ、無あるいは低酸症となりますが、さらに胃からの蛋白漏出を来たします。
低蛋白血症がコントロールできなければ胃切除も行われます。
リンパ管の奇形や閉塞によりリンパ管の拡張を来たした疾患で、リンパ管からリンパ液(蛋白質を含む)が漏出します。