ADHDは発達障害のひとつに分類され、不注意、多動性、衝動性を中心的な症状とします。
いわゆる悪ガキでその程度がひどい場合といえると思います。
男児に圧倒的に多いことも特徴です。
症状の現れ方や程度には個人差があり大きく、混合型(不注意、多動性、衝動性の3つがみられる)、
不注意優勢型、多動性・衝動性優勢型に分けられます。
病因として前頭葉から線条体、小脳にかけてのドーパミン関連の障害に関する報告がありますが、
詳細については不明な点も多いようです。
ADHDは近年、学校の教師などにも認知されていて、学校の先生から保護者に専門科を受診するようにいわれて
受診するケースが多いようです。
診断はDSM-Wでは不注意、多動性、衝動性に関する項目の該当数によりますが、種々の心理検査なども
行うことが多いようです。評価尺度としてはADHD-RS-Wが使われ、治療の効果判定にも有用です。
治療としてはメチルフェニデート(リタリン)が使われてきました。
メチルフェニデートは中枢神経刺激薬で中枢のノルアドレナリンやドーパミンを増加
させると考えられています。
副作用として、食欲低下、不眠、場合によっては衝動性の亢進があります。また、チックが生じることがあります。
患者が小児であることから家族がしっかり服薬させることが重要です。
最近、メチルフェニデート徐放錠(コンサータ)となり朝飲むだけで12時間効果が見込めるため勝手が
良くなりました。
また、メチルフェニデートでチックが生じるケースや不安が強い症例などでは抗うつ薬、特に三環系が使われます。
チック障害がひどい場合には抗精神病薬も使われることがあります。