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原発性肺癌は、気管や気管支、肺胞領域を起源として発生する上皮性悪性腫瘍の総称です。
日本の肺癌による死亡者数は年間で男性約4万人、女性約1万5千人となっています。
癌で最多であり、予後の悪い癌です。
病理学的には、扁平上皮癌、肺腺癌、小細胞癌、その他いろいろとありますが、
治療上、小細胞癌 (Small cell lung cancer , SCLC 肺癌の約20%) と
非小細胞癌 (Non-small cell lung cancer , NSCLC 肺癌の約80%) の2つの型に分類して考えることもあります。
喫煙との因果関係が明らかな癌は、肺扁平上皮癌と小細胞癌です。
・扁平上皮癌
喫煙と密接に関連する癌で、肺癌の30%程度を占めています。肺門部などの中枢気道に発生します。
空洞形成傾向が強く認められます。
・肺腺癌
肺癌の45%程度を占め、わが国では最も頻度の高い組織型です。女性に多く見られます。
末梢気道から発生しやすいです。胸膜を侵しやすいという特徴があり、胸部X線写真では、胸膜陥入像を呈することがあります。
遠隔転移を起こしにくいため、
予後は比較的良好です。
・小細胞癌
肺癌の15%程度を占め、喫煙の相対危険度が最も高い癌です。中枢気道に発生します。発育が早く、遠隔転移も
来たしやすいため、予後は不良です。ごく早期以外に手術適応はありません。ホルモン産生に伴う症状やLambert-Eaton筋無力症候群なども出現します。
早期肺癌では症状に乏しく、臨床病期のⅠ,Ⅱ期では約60%が無症状です。
したがって、症状が出てから見つかった癌は、進行癌であることが多いです。
症状としては、肺病変による、咳、血痰、胸痛、呼吸困難、また、癌による食欲減退や体重減少や疲労感があります。
肺の周辺部に浸潤した場合には、Horner症候群、Pancoast症候群、上大静脈症候群、嗄声(反回神経への浸潤)などが生じます。
・Horner症候群:交感神経幹に浸潤し、縮瞳、眼瞼下垂(まぶたが下がる)、眼球陥凹、顔面の発汗の低下が生じます。
・Pancoast症候群:腕神経叢と隣接した肋骨および椎骨の浸潤による上肢の痛み、しびれ感を呈します。
・上大静脈症候群:頭や腕から心臓へと返る血液の通り道である上大静脈が閉塞するため、顔などがうっ血によりがむくみます。
・Lambert-Eaton筋無力症候群:筋無力症状となるが、筋収縮を繰り返している内に軽快する。
筋電図でwaxingという現象が見られる。
骨や脳に転移しやすく、骨痛を訴えて病院に来た患者が肺癌であった、ということもあります(骨転移)。
また、癌細胞がホルモン類似物質を産生することがあり、その場合には、そのホルモン作用による症状が生じます。
・ACTH:小細胞癌で多く、クッシング症候群を呈します。
・ADH:小細胞癌で多く、SIADHの病態を呈します。
・PTHrP:肺扁平上皮癌で多く、高Ca血症となります。
原発性肺癌に関しては、治療をする上で、TNM分類と病期分類が必要です。
これらは要するに、肺癌の広がりがどのくらいなのかを表現したものです。
肺癌治療のガイドラインに沿って、病期分類に応じた治療が行われますが、実際には、患者さんの容態によっても
変わってきます。
治療は、手術療法、放射線療法、化学療法が三本柱です。
治療に関しては、非小細胞癌と小細胞癌とに分けて考えることが多いです。