ITPは、血小板に自己抗体が付着することで脾臓にトラップされ、破壊されるために
血小板減少となり出血傾向(紫斑)を来たす疾患です。
急性型と慢性型がありますが、急性型は小児に好発しウィルス感染が引き金となって発症します。
多くは6ヶ月以内には血小板は正常化します。
慢性型は成人女性に好発します。自己抗体が産生されることから他の自己免疫疾患である
SLE、RA(関節リウマチ)、AIHAなどを合併することがあります。
血小板数の減少、それに伴う出血時間の延長が見られます。
骨髄標本では、巨核球が増えることが多いですが、血小板が付着していない巨核球が目立ちます。
めに脾腫となることもあります。
一般的には血小板数が5万を切ると出血傾向が出てくるので治療が必要と考えられます。
血小板が減少して、すぐに治療が必要なときには、まず、γグロブリンの投与を行い、
血小板に対する自己抗体を除去し、血小板輸血を行います。
慢性期の第一選択薬はステロイドです。
ステロイドを減量すると再発する場合や
長期間の投与による副作用の出現などのケースでは、脾摘も行われます。
また、理由ははっきりしませんが、胃にヘリコバクター・ピロリがいる場合、それを
除去することにより改善することが報告されています。