慢性リンパ性白血病は、骨髄、リンパ節、末梢血を中心に小型のリンパ球の増加を特徴とした疾患です。
慢性リンパ球性白血病の多くはB細胞系ですが、T細胞系の抗原であるCD5が発現するなど異常なB細胞です。
リンパ性白血病と悪性リンパ腫の違いは、リンパ球が増殖する場所が主に骨髄かリンパ節かの違いであって、
本質的な差はありません。
それで、WHO分類では、リンパ性腫瘍というカテゴリーの中に、B/T前駆細胞性、B細胞性、T/NK細胞性の3つを分類し、
その中のどこかにリンパ性白血病と悪性リンパ腫を振り分けられいます。
慢性リンパ性白血病(CLL)はB細胞性の中の慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫というカテゴリーに入ります。
わが国では、全白血病の3%と比較的まれな疾患となっています。また、高齢者に多いです。
リンパ節の腫張、脾臓や肝臓の腫大が見られます。
B細胞系のリンパ球が溢れていますが、免疫機能に欠けた細胞であり容易に感染を来たします。
また、細胞性免疫の低下も引き起こし、悪性腫瘍の発生率も高くなります。
平均生存期間は10年くらいですが、中には1,2年のうちに悪化する例や長期生存例も見られます。
慢性リンパ性白血病の治療は最近変わりつつあります。
無症状の早期患者では、経過観察とします。
高リスク群では、プリン類似体のフルダラビンが使われます。
そして、CD20を認識するリツキシマブを上乗せすることでより治療効果が期待できます。
また最近では、CD52を認識するアレムツズマブが有効とのデータが出ています。
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日経メディカル:リツキシマブで慢性リンパ性白血病治療への上乗せ効果を確認