赤芽球癆

病気の疑問と考え方捉え方

様々な疾患の病態の考え方、診断や治療の治療の説明など


TOP血液赤芽球癆

赤芽球癆(ろう)

▼赤芽球癆の概念

赤血球だけが減少する再生不良性貧血の一種です。
骨髄の赤芽球が減少し、末梢血で赤血球が減少します。

造血幹細胞に何らかの異常が生じ、赤芽球への分化ができなくなった状態と 理解すれば良いかと思います。

Diamond-Blackfan貧血という先天的な場合もありますが、多くは後天性です。

急性と慢性があり、急性ではウイルス(特にパルボウィルスB19)や薬剤によって 赤血球系幹細胞が障害を受ける事が原因とされています。

慢性に生じた赤芽球癆では、しばしば胸腺腫を併発します。
胸腺は免疫に重要な臓器であり、自身 のリンパ球が赤血球系幹細胞を攻撃する自己免疫疾患の一種と考えられています(胸腺腫の合併症といえば、 他に重症筋無力症)。

▼赤芽球癆の検査

再生不良性貧血と似た結果となります。
正球性正色素性貧血となり、 血清鉄、フェリチンともに増加します。
赤血球が低下しているので、造血を促すためにエリスロポエチンの値は、 増加します。
骨髄標本では、赤芽球の比率は低下しています。

▼赤芽球癆の治療

Diamond-Blackfan貧血は、ステロイドに反応することがあります。
急性赤芽球癆では、軽症であれば経過観察とし、場合によっては輸血を行います。
慢性赤芽球癆では、免疫抑制剤やステロイドを使います。胸腺腫がある場合には、胸腺腫の 摘出も行われます。



Copyright(c)2009 All rights reserved. 病気の疑問と考え方捉え方