貧血

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貧血(赤血球減少)

▼貧血の概念

貧血は、血が貧しくなると書きますが、赤血球またはヘモグロビンが減少することです。
ヘモグロビン値が男性で13g/dl未満、女性で11g/dl未満を貧血と定義しています。

赤血球の機能は、酸素を運搬することなので、直接酸素と結びつくヘモグロビンの値が 最も臨床症状と合致すると考えられています。
ただ、場合によっては、赤血球数やヘマトクリット値で評価をするようです。

赤血球が減少する理由は大きく3つで、 赤血球が作られなくなるか、赤血球の寿命が短くなるか、どこかに漏れているか(出血)のどれかです。詳しくは各論 で述べます。

▼貧血の症状

貧血になると十分な酸素を全身へと送ることができなくなるため、労作時の息切れ、 全身倦怠感などが生じます。
また、酸素不足を心拍出量増加で補おうとするために 心拍数が増加し動悸が生じます。

貧血の種類によっては、その他に様々な症状が出現しますが、各論で説明します。

▼貧血の分類

たとえば、血液検査で、ヘモグロビンが8g/dlだったとします。
その患者さんは“貧血”とわかったわけです。

その次に、医者は赤血球の大きさ(平均赤血球容積)含有するヘモグロビン量(平均赤血球血色素濃度)を計算して貧血の原因を考えます。

平均赤血球容積MCV(%)=Ht(ヘマトクリット)/RBC(赤血球数)×1015
MCVが80%以下のときを小球性、80〜100%のときを正球性、100%以上のときを大球性といいます

平均赤血球血色素濃度MCHC(%)=Hb(ヘモグロビン)/Ht(ヘマトクリット)×100
MCHCが31〜36%のときを正色素性、31%以下のときを低色素性といいます。

これにより貧血のタイプを分類し、鑑別診断を考えていきます。

小球性低色素性 鉄欠乏性貧血、慢性炎症による貧血、鉄芽球性貧血、
サラセミア、無トランスフェリン血症など
正球性正色素性 溶血性貧血、再生不良性貧血、腎性貧血など
大球性正色素性貧血 悪性貧血(ビタミンB12欠乏性)、葉酸欠乏性貧血、肝障害性の貧血など

なお、最も多いのは、小球性低色素性の鉄欠乏性貧血です。



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