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第99回医師国家試験のG40の問題に典型例が出題されています。
21歳の女性。
原発性無月経を主訴に来院。
体型は女性型で乳房発育は良好である。
両側の鼠径部に小腫瘤を触知する。陰毛は少ないが、腔の形成が認められる。
染色体検査は46,XYである。この患者で正しいのはどれか。
a 女性半陰陽
b テストステロン分泌低下
c アンドロゲン受容体異常
d 2相性の基礎体温
e 卵管の存在
精巣女性化症候群は遺伝的には46,XYで男性で精巣もあるのにも関わらず
アンドロゲン受容体異常があるためにその作用が発現しません。
そのために表現型が女性になる疾患です。
アンドロゲン受容体遺伝子はX染色体上にあり伴性劣性遺伝します。
頻度は数万人に1人で比較的稀な疾患です。
ミュラー管の退化にはアンドロゲンは無関係なためミューラー管は男性として
退化し、子宮と卵管はなく月経は生じません。
アンドロゲンが作用しない尿生殖洞は女性型となり膣は存在し、性交も可能です。
治療ですが、精巣が残っており悪性化の危険があることから二次性徴終了後に切除を行います。
妊娠ができないという問題、またこの疾患であることがわかるのが思春期であるということも、
精神的なフォローが必要です。
第98回医師国家試験のD41に出題されています。
18歳の女子。初経が発来しないため来院。
身長160cm、体重52kg。
乳房や外陰の二次性徴は正常であるが、膣が完全に欠損している。
基礎体温は2相性である。
染色体検査の結果はXXである。
正しいのはどれか。
a Wolff管の形成不全である。
b 卵巣性無月経である。
c 女性仮性半陰陽である。
d 性腺無形成症である。
e ゴナドトロピン分泌は正常である。
正解はeですが、Mayer-Rokitansky-Kuster-Hauser症候群はミュラー管下部の
発育障害のために膣がない疾患です(膣欠損症)。
治療としては、性交を可能にするために人工造膣術(S状結腸や腹膜、最近では人工真皮などを使うこともある)
を行います。
ただし、子宮の発育も不良なため妊娠はできません。
視床下部(GnRH)→下垂体(LH、FSH)→卵巣(E、P)に問題はありません。