[PR] この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。
アルコールを飲みすぎて嘔吐を繰り返し、胃液すら出し尽くしてしまった、というような状況で生じます。
嘔吐によって腹腔内圧および食道内圧が上昇し、
その結果として食道下端に粘膜の縱走裂傷を来たし、出血を呈します。
粘膜の裂傷なので、大部分が自然治癒します。
男性の下部食道に好発する全層性の食道破裂です。
全層性の破裂のため、死亡率は30~80%と極めて高く、緊急手術の適応となる疾患です。
Mallory-Weiss症候群と同様に腹腔内圧の上昇が直接の原因と考えられています。
誘引としては、激しい嘔吐の他に、分娩や便秘のときの力み、
お腹に急激に衝撃が加わるような事態(強く重いボールが腹部に当たるなど)などがあります。
破裂後、背部や心窩部痛が生じショックとなることもあります。
<検査>
食道造影検査で造影剤が食道から漏れている所見がある場合、内視鏡で破裂を直接目撃することで
診断されます。
また、食道破裂により唾液等の分泌物が縦隔や胸腔へ流れ貯留するので胸部X線写真等が有用です。
<治療>
外科的に食道を閉鎖する治療が行われます。
なお、第103回医師国家試験に典型例が出題されていました。
<第103回医師国家試験D56>
50歳の男性。
心窩部痛のため搬入。多量の飲酒後に激しく嘔吐し痛みが出現。
胸部エックス線写真で中等量の左胸水貯留を認めた。
ドレナージにて混濁した胸水を認める。最も考えられるのはどれか。
a 急性心筋梗塞
b Mallory-Weiss 症候群
c Boerhaave症候群
d 十二指腸潰瘍穿孔
e 急性膵炎
答えはcのBoerhaave症候群です。典型例と思われます。