Buerger(バージャー)病ともいわれます。
血管炎という名前がつくように、四肢末梢の血管に炎症が生じて狭窄し
虚血症状が生じます。
炎症が生じる原因は不明ですが、20代から40代の比較的若い喫煙者に多く生じるため喫煙の関与は確実です。
ASOと比較して末梢の小動脈に病変が生じます。
動脈のみならず伴走する静脈にも同様の病変が見られます。
また、歯周病との関連などがいわれています。
血管が閉塞するために、ASO同様に虚血症状が生じます。また、指の先端に難治性の潰瘍が出来たり、
場合によっては壊死に陥ることもあります。
静脈にも病変が生じるので静脈炎を引き起こすこともあります。この静脈炎は治癒してもまた別の静脈で
病変が生じるので遊走性血栓性静脈炎と呼ばれます。
血管造影検査が有用です。
狭窄部位や閉塞部位や閉塞部位から細い血管が分岐した所見などをみることができます。
治療の基本は禁煙です。
ASOは、太い血管が閉塞していたので、カテーテル治療やバイパス手術ができたのですが、
閉塞性血栓性血管炎は、細い血管が閉塞するために、これらの治療は困難なことが
多いようですが、吻合可能な血管が認められる場合には自家静脈を用いたバイパスも行われるようです。
薬物療法としてはプロスタグランジンや抗血小板薬が使われます。根治が難しい疾患ですが、
最近は、血管内皮細胞の増殖因子(HGF)による血管新生遺伝子療法や自己骨髄細胞移植による血管再生療法が
行われているようです。