ASOということが多いと思います。冠動脈に動脈硬化が生じ血管が狭窄すると狭心症となりますが、
足の太い動脈(主幹動脈)に動脈硬化が生じ血管が狭窄すると閉塞性動脈硬化症(ASO)となります。
下肢は上肢よりも血圧が高く動脈硬化も進みやすい可能性が考えられます。
狭窄部位より末梢に血液がいかなくなるために疼痛等を来たします。
疼痛(pain)、皮膚の蒼白(pallor)、動脈拍動の消失(pulselessness)、知覚障害(paresthesia)、麻痺(paralysis)が
生じます。それぞれの頭文字Pから5Pといいます。
疼痛(pain)に関連して、特徴的なのが間欠性跛行です。
歩いている内に足が痛くなり、休むと軽快するため、休み休み歩くことです。
間欠性跛行といえば、閉塞性動脈硬化症(ASO)と脊柱管狭窄症が鑑別となります。
自覚症状から4つに分類されます(Fontaineの分類)。治療を考える上でも有効です。
T度 | 無症状または冷感、しびれ感 |
U度 | 間歇性跛行 |
V度 | 安静時疼痛 |
W度 | 潰瘍、壊死 |
<血圧検査>
通常、下肢の血圧は上肢よりも高いですが、本症では下肢の血流が非常に低下するので上肢よりも
低くなります。
<血管造影検査>
最も有用な検査です。
狭窄部位や閉塞部位、また側副血行路の発達も知ることができます。
Fontaineの分類でT度であれば動脈硬化因子(喫煙、DM、高血圧、脂質異常症など)の除去を行い悪化を防ぎます。
U度以上で歩行距離が短くなっている場合には手術を行います。
バルーンカテーテルによる治療で間に合う場合には経皮的血管形成術を行います。
病変部が広範囲に及んでいる場合には人工血管や静脈グラフトによるバイパス手術が行われます。
病態としてはASOと同じですが、腹部大動脈の末端部で閉塞が起こるので内腸骨動脈も巻き込み 陰萎(インポテンツ)を来たします。